焼坂峠5


   その先も倒木が道をふさいでいるところがあり、中土佐側の旧道は徒歩以外通りぬけ不可。
   やがて二個目のヘアピンの手前にごっそり路肩を流された場所が現れた。
   すぐ下には折り返し麓を目指す道がある。ここはショートカット。すぐ下にきれいな石積みの暗渠がある。
   ヘアピンとしてはだいぶゆるいほうだ。
   やがて電柱が立つ場所まで来た。頂上の送電線がここへ降りてきている。旧道がくねくね曲がりながら進むのに対し電線はあっさりと降りてきてしまった。
   電柱を過ぎた所で轍が復活。中土佐側も麓は使われているようだ。
   少し行くと遍路道が降りてきた。たぶんに間違えて突っ込んだあの道に出るのだろうと思い原付を回収しに戻った。倍以上の時間を費やして原付を元の場所に戻し、遍路道を駆け下る。しかし、所詮はオンロードバイク。タイヤ径が大きいとはいえせいぜい平坦な農道を走るぐらいしかできない。傾斜の急な遍路道を下るなど到底無理であった。そこでエンジンを切ってギアを入れ、ブレーキを握り締めて降りてきた。しかし今度はエンジンが掛からなくなる。変な所を通らされて機嫌を損ねたのか。あせりながらキックを蹴りつづけ、どうにかエンジンが掛かった。
   この後少し写真が飛ぶ。じつは中土佐側は麓で中村道路の工事が行われているため通行止めだったのだ。一応迂回路は用意してあったのだが、原チャが走ってくることなど予想だにしていなかったようで、狭い工事用足場だった。戻ろうにもあの坂を登れるとは思えない。幸い近くにいた作業員の方に責任者に連絡を入れてもらい、通してもらえた。まさか遍路道を原付で降りてくるお馬鹿がいるとは思わなかっただろう。
   やがて土讃線と再開。国鉄が土佐久礼まで延伸されたのが昭和14年だから既に安和海岸経由に変わっている。
   再び土讃線と並走。
   やがて現道に合流。ホームセンターの看板が目印。