79年製かもめカブ12V化

 かもめカブのバッテリーは6Vである。だからライトが暗い。とにかく暗い。しかもハイビームに切り替えた後、明るくなるまでコンマ5秒ぐらいラグがある。逆に切り替えた場合もまた然り。はっきり言って危険である。だから灯火系回路の12V化をすることにした。

<前提>
車台番号C50-6810***。1978年式C50KZ型。1979年9月製造のスーパーカブDX。いわゆるかもめカブ。たぶん6Vポイント点火車最終型。

<用意したもの>
湯浅「YT4L-BS」12Vバッテリー(別にユアサじゃなくてもサイズが合えばなんでも)
キタコのモンキー12V化キット(ウインカーリレーとレギュレーター入り。クソ高い。部品を溜め込んでるバイク屋の親父と仲良しになれば安上がり)
12V車の純正バッテリーケース「50380-GK4-631」
エーモン4極カプラー
エーモンギボシ端子セット
12V電球各種
電線適量(できれば何色か) 計2mほど
工具箱に入っていたクワ型端子 x3
切ったりカシメたりする工具

   とりあえずバッテリーを外したの図。
   こーんなものがあるので外す。
   エーモンのカプラを用意。カブ系エンジンのレギュレーターにはエーモンのカプラがすっぽり入るらしい。
   ロックを上にして、外した赤線を左上に、その下に白を入れる。赤線の端子には爪が無かったので、差し込んでもスポスポ抜けてしまう。そこだけエーモンカプラに付属の端子に交換。
   ジェネレーターからライトへ行く黄線を分岐し、カプラに繋ぐ。エンジンのそばで分岐させると雨に濡れる心配があったので、ヘッドライト裏から分岐した。
   カプラの右上に押し込む。
   残った右下はアースなので、どこか車体の金属部分と繋いでおけばいい。アースと言えば緑色だが、切らしていたので青い電線で。放熱フィンも兼ねた金属ケースがアースされていないかとテスターで調べたが、繋がっていなかった。なのでこの線は省略できない。
   左がその12Vのレギュレーター。社外品だからか爺様の角目(ずっと↓参照)と比べてでかい。右がさっき外した6V用の部品。
   ウインカーリレーも12V用に交換。左が6V用で右が12V用。12V用の小ささに驚いた。つなぎ替えるだけでOK。
   電球も各種忘れず12Vに交換。ヘッドライト、ポジションライト、テールライト、ウインカー球x4、ニュートラルポジションランプ、ウインカーインジケーターランプ、スピードメーター照明球。KZ型はこの10個である。ちなみにヘッドライトのHi-Loが逆になっていて驚くかもしれないが、これは配線が12Vと6Vでは逆になっているためである。ヘッドライトを外したついでにギボシを入れ替えておけば良い。ウインカーレンズが、旧車にありがちなネジがサビで回らないトラブルが発生していた。仕方なくドリルで頭を飛ばしてやった。
   12V車ののバッテリーボックスがポン付け可能らしいので、純正品を取り寄せてみた。およそ1000円。
   新旧の大きさを比べてみる。単純にセルが半分なので、大きさもほぼ半分。
   簡単にスポンと入る予定だったが、何かに引っかかってうまく入らない。
   犯人は燃料ホースだった。強めに曲げて押し込んだが、そのうち裂けたらどうしよう? 早いうちにL型ホースに交換したほうがいいかもしれない。
   正しく入っていれば、バッテリーステーのボルト穴からプラスチックのイボが出ているはずである。
   バッテリーの配線を作る。6Vバッテリーは本体から直に電線が出ており、車体とはギボシ端子で接続するようになっているため、今のままでは接続できない。KZ型はキック始動オンリーなので、大きな電流は流れないハズ。ターミナルへは、テキトーに余っていたクワ型端子で接続した。
   カブカスタム(角目)を参考に配置を考える。
   考えた結果。部品の配置を真似したらアースとウインカーリレーの線が届かなくなった。バッテリーが大きくなってハーネスが少し遠回りをしたようだ。仕方がないのでバッテリーボックスに穴を開け、アース線とウインカーリレーへの線を最短距離で引けるようにした。レギュレーターもなんとか収まりそうだ。何故かヒューズホルダーが行方不明になったので、エーモンの平型ヒューズボックスに変えた。理由は平型がなんかかっこ良さそうだったから。しかし、結局おさまりが悪いので、やはりエーモン製の管ヒューズに変えた。
   頃合いを見てバッテリーに液を入れる。ホームセンターなんかで売っているバッテリーは液を封入した状態で売っているが、羽マークの店で買うとセルフサービスがデフォ? 
   最後、蓋を閉めて完成のはずだったが、何故か閉まらない。
   犯人はウインカーリレーだった。角目と同じ位置につけると干渉するようである。試しに6V用のステーに取り付けてみると、干渉せずに蓋を閉められた。もう少し活躍してもらおう。
   写真はないが、ホーンはバイク屋でもらったジャンク品が動いたのでそのまま取り付け、ウインカーブザーは抵抗を挟んで6V用をそのまま使っている。経年でヤレたのか「プイ〜」というマヌケな音がする。最後にキーオンでNランプが付くのを確認。ヒューズが切れないのでショートはしていない模様。エンジンを始動し、ライトやウインカーの動作確認をして完了。試運転に出かけたら、何故かエンジンが吹けない。すわ一大事、何かを壊したかと思ったが、ポイント調整で治った。で、夜道でライトの明るいことにとても感動した。安物の電球だったので並の明るさだが、元の暗さと比べれば、天と地の差である。特にヘッドライトのHi/Loの切り替えのレスポンスが良くて安心できるし、ウインカーも目に見えて明るくなった。
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