鳥越峠(高須峠)


 廃線隧道のしろさんに情報をもらった旧道。
 大豊ICと国道32号のあいだにあるのは新高須トンネルである。そして、その旧道にあるのは高須隧道である。これは内部に急なS字があることで知られている。このトンネルの更に旧道、つまり旧々道があるという話だ。高須隧道が昭和一桁台に作られたものだから、それより古い旧道があるとは思ってもみなかった。その車道は明治時代に作られたもので、トラックが通れる道だったという。本山側が現代の地図に記載されていない点から、廃道になっていると思われたが・・・
 
   分岐地点。分岐地点は旧道化しており、普通に現道を走っていると通り過ぎてしまう。サンクス大杉店を少し北に行くと、斜面を登っていく古いガードレールが現れる。
   道はコンクリートやアスファルトで舗装されている。地図からは、沿道に何軒か家が建っていることが読み取れる。
   途中小さな谷を跨ぐ橋があった。普通ならスルーするところだが・・・
   きちんと名前のわかるものが作られていて驚いた。中谷橋というようだ。本当に小さな橋で、わざわざ自然石に名前を彫るなど、何か特別なエピソードでもあったのだろうか。
   何軒か家の前を通り過ぎ、勾配がきつくなるのが見えたら本番の始まりである。
   突然、思い出したかのように進路を変え、山に突っ込んでゆく。
   初めて来た時は、掘割の深さにトンネルかと思った。この掘割がサミットである。
   昭和初期にはトンネルが掘られ、役目を終えている道だが、現在でも地元の人が普請しているらしく、通行に何の苦も感じない。
   ヘアピンカーブ。トラックも通れたそうだ。ただ事故も多かったそうだ。(しろさん情報)
   道は狭い上に、かなりの急勾配で下っている。戦前の性能の低い車でよく通ったものだ。
   やがて右手に大豊インターが見えてくる。
   更にこの位置からは高須隧道の本山側坑口の上部が見える。
   下界に近付き、ガードレールが現れ始める。
   やがて前方、視界が開けると同時に道はあさっての方向に走り始める。
   そこにあるのは高知自動車道。ちょうど本線とランプの合流地点付近だ。
   大豊インター建設と、それに伴う区画整理の影響で当時の面影は完全に失われているようだ。

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