3日目
今日は長距離移動して横川まで行くことに。長野の手前の、碓氷峠の下の横川です。そこに碓氷鉄道文化村と言うのがあって、碓氷峠が廃止になった際、横川機関区をそのまま博物館にしたわけで、ここで動いていた名機や、有名な形式をここに展示しているのです。 東京から横川まで移動だけで100kmを越す小旅行。出発に手間取って高崎に着いた時点で10時過ぎ。もっと早く出ればよかったと反省。すぐ接続の信越本線普通でいざ横川へ。
 入線してきたのは107系。峠の廃止後ここの主力と言えばこれである。満席だったので乗務員室の真後ろを陣取った。よく爆音電車と呼ばれるが、なるほど、実にやかましい。ノッチオフしたのにモーターの唸りが止まない。103系も同じく爆音電車と呼ばれているが、こんな感じの音がするんだろうな。
ちなみに107系はJR東日本が社員の訓練のために自社工場で作らせたそうだ。当時、普通列車に使われていた165系が乗り降りに不便なことと老朽化していたことにより製造された。 爆音に浸りながら30分で横川到着。横川に着いた後は速攻高崎行きに変わっていた。
 さて、横川の1番線から見た軽井沢方面である。重厚な車止めが設置されている。将来こっから先線路があったことを知らない人が出るだろうと思う。ひょっとしたら既にいるかもしれない。 その先、自転車置き場にレールが残っていた。ここがホームの端っこだったらしい。
 旧4番線に留置されている63+189。右の写真の通り駐車場と一体になっている。踏み切りで緊急停車でもしたかのよう。しかしなぜか、軽井沢よりに補機が連結されている。そこまで考えてなかったか。それともサービスでジャンパを見やすいようにしてくれたのか。 あと高崎から一緒だった客の一人が「まあ汚い電車」 ここでカチンときたあなたは鉄っちゃんに違いない。
 手始めにここの63でも物色、いや見学しようか。第二エンド側に電車がくるので軽井沢側はいかつい面構えとなっている。まず、連結器が特殊である。双頭式連結器といって、自動連結器と密着連結器が一体になった構造をしており、使いたいほうに自由に曲げることができる。ちなみに切り替えは手動で行うようだ。解放テコは固定されているのか動かなかったが、首振り機構は生きていたので、行った際は動かしてみるといいと思う。これの連結器が装備されているのはコイツとEF64とか、電気検測車など特殊な車両ぐらい。普通の電機には使わない特殊なものである。 右は63名物のいかついジャンパ。最下段の赤紫色はキハ82、中段の緑は115、クリーム色はキハ57、上段の橙色は165、中段と上段に跨るものは169とペイントされている。互換性のあるものはたいてい連結できるはずだ。ただし峠を越えるには連結器や台枠を強化する必要がありる。つまり、峠を越えられるのは昔からたくさんの技術を詰め込んだ特殊な車両だけだったのである。しかし、このジャンパはいつ見てもごつい。
 あと台車も特殊である。まず軸重が順に17t,18t,19tとなるように作られている。これは急勾配でもバランスが取れるようにとのことらしい。あとブレーキ緩み防止ロックや、右写真にも写っている電磁吸着ブレーキである。電磁吸着ブレーキは強力な電磁石をレールに吸いつけて列車を止めるものである。これは減速用ではなく繋留用で、勾配の途中でブレーキ圧が下がると激しく流転をおこし危険だと言う理由でつけられている。また、中央の台車にのみ速度検出用の遊輪が取り付けられている。これは車輪が空転を起こししたときでも正しい速度を表示するためである。写真の台車は端のものなので写っていません。とにかく、EF63がいかに特殊な機関車なのか、よくわかると思う。 ところでここの63は落書きが目立つ。スプレー塗料は使われていなかったのでまだタチはいいが。内容も名前と日付とコメント、訪問記念に残しているらしい。その中に一つ「ちゃんと管理してやれよ」という内容の落書きああった。確かに汚い。こちらも管理してもらいたい。屋根をつけてやって欲しい。
4番線の隣にもう一本、写真のように線路が残っているが、これは文化村の車両搬入路として今でも時々使われている。アスファルトで埋められているが、フランジに重量が集中するためアスファルトはつぶれ、脱線することはないそうだ。またこの線路、63の体験運転用の線路と繋がっているという話だ。つまり、理屈の上では信越線の列車を丸山変電所付近まで乗り入れることができるということだ。実際にたどってみたわけではないので確信はないが。

あんぽんたんな私は入り口の写真を忘れた。 そしていきなり展示車両へ走っていた。
 DD51トップナンバー。ここのいい所はキャブに入れると言う点である。おまけに機器類があまり固定されていないのでマスコンなどが自由に回せる。DD51のマスコンは実に13段あった。そして変速機も3段。さすがに制動弁は盗難を懸念してか腕が取り外してあった。事実過去にはEF63の制動弁や逆転機ハンドルが持ち去られている。聞いて唖然としたのは63の貫通戸を溶接機で焼き切って持ち去っている件である。携帯可能な小型の物を使っていると思われる。私もアセチレン(発生器じゃないよ)の資格はもっているが、溶接機を使ってこんなことをするやつがいるのかと思うとあきれる。後で逮捕されたらしく扉も無事戻ってきたらしいが、焼き切った跡は直ってないらしい。
189のトレインマークを外してあったのは賢い選択だと思う。
 話がそれたので元へ。 次はキニ58。 え? 外からの写真はって? いや通路が狭くて取れませんでした。反対に回ればって? いや、その… すいません。あとで撮ろうと思って忘れてました。代わりに内部の様子。長椅子でも置いていれば囚人輸送(以下略)
キハ35。昔は四国にもいた。 行き先が高麗川になっている。しかしキハ35って前こんなスッキリしてたっけ…? どうやら見慣れていたあのほっぺたのようなものはのは前面強化されたものによるらしい。また外釣り戸も大きな特徴のひとつである。
 その隣。一際ごついこの車両。ソ300である。ソと言うのは操重車の記号である。早い話クレーンである。これ一両で35tまで持ち上げることができる。レールへの負担を軽減するため、やたら車輪も多くして軸重を軽減している。そしてこのデカブツ、なんと自走可能だそうだ。いったい何キロ出たのやら。
すぐ後には旧本線が。ここは63の体験運転線の終点だったが、最近になって100mも延長された。片道400m、往復で実に800mも走行できる。でも費用がお高い。
キハ20。
 数は減ったが今でも根強い人気のあるEF58。でかい(長い)。その長さのゆえに車両限界を超えないように両端の車幅が絞られている。 そしてレトロなメーターが時代を感じる。このメーター前から目をつけているのだが、その辺のジャンク屋で出回ってないかな?
 重量も2番目に重く、支えるために先台車まで付いている。無恰好。動輪も三軸台車となっており、2C+C2の配置となっている。
ここだけで機械室の中味を撮影。機械室は閉鎖されている。この中に抵抗やらコンプレッサーやら諸々の物が入っている。

ふと気になりあれの蓋に手を伸ばす。開いた。固定されていなかった。ジャンパの端子群である。55心。意外と配線が多いものである。
これも展示の一部か…?
 D51。蒸気機関車の代名詞にもなっている車両。日本最多の1115両が製造された。右は初期車のあだ名の由来になっているボイラー上部のカバー。給水温め器・砂箱・蒸気溜めがこの中に入っている。この独特の形からなめくじとか芋虫とか呼ばれる。さらにこのカバーをキャブまで延ばしたスーパーなめくじなるものもいる。けどスーパー芋虫は聞いたことないなあ。
ところでなぜ999のヘッドマークが? あれC62やん。GALAXY EXPRESSって書いてあるし。
 EF53。戦前製造の傑作大型電機。東海道線に投入されEF58登場まで活躍した。EF59に改造された物もいる。この展示車はそのEF59から復元改造されたもの。右はそのEF59である。EF59は瀬野八の補機に使われた。
DD53+除雪ヘッド。DD14より除雪能力の高い後継車が必要となり作られた。しかしあまりに怪力だったため投げ出された雪で民家の窓を割ったり電柱に被害が出たり。聞くところによるとピアノが倒れたとか。この計算外の欠点で除雪ヘッドに大掛かりな改造がされた。
ふと見るとライブスチーム? こしゃくに、いや、立派に煙を上げている。
旧横川機関区内。 ゲーセンにあるような手漕ぎトロッコ。どうせなら保線で使っていた足漕ぎトロッコの方がよくないか。
片隅には車掌車が。随分と錆が。管理されていないのであろうか。イベントなんかで連結されていると思ったのだが。要らないんなら譲っとくれ。模型専用室にするから。これぞ車内レイアウト。車輪もつけておけば走るレイアウト。いつかお呼びがきたりとか…。 ところでピットも埋めずに残されていますね。
頭だけだがここにも189が。元々あさま色だったが傷んだために国鉄色に塗り替えられました。
ここの目玉の63体験運転。訪れたときは動いていなかった。予約制で講習を受けた後63のキャブへ招待される。1回5000円也(決して回し者ではないので)。ちなみに架線電圧は落としている(はず)。
 ここにアプトが再現されている。車輪はEF63とED42と思われる車輪が並んでいる。ところでなぜ駅構内は架線。勾配は第三軌条とややこしい事したんでしょうね。
昔の工場。左には場違いなピカチュウが。
ここに来てやっと63のキャブが拝めた。速度計が75キロまでだったり電流計が一個多かったりと特殊さが伺える。しかし電流計の一個がひどく傷物になっているが、心無いものに何かされたのではと心配になる。 ←クリックで拡大(別ウインドウ ※サイズ大)


場所の関係からこんな写真になっているが、ED42のトップナンバーである。粘着運転切り替えまで活躍したこの形式。ラックレールと歯車をかみ合わせて急勾配を上る仕組みです。駅構内は架線。本線では第三軌条から集電するため。パンタと集電下駄両方を持っています。
 集電下駄。意外と簡単なつくりである。本線で感電する人がいなかったのだろうか。
諸元表に価格13万とあるが売ってくれるのか(笑 ちなみに当時東京-大阪が6円ちょいだから(現在乗車券のみで8500円)… 2億? ちょっと単純に考えすぎか。興味のある方は正確な値を出してもらいたい。
これも名物のシミュレータである。ただし1回1000円は高い。500円ぐらいにならないか。ちなみに1回11分ほどで失格があるとの事。乗務員室は本物なので安いと思う人は挑戦あれ。ちなみに1000円がきいたのか空いていた。
 さよなら運転や民営化のときつけられたヘッドマークが飾られていた。左端、なんか寂しくなる。右端のも寂しくなる。
以上で文化村を後にした。廃線ファンなら峠のぼったんだろ? と聞かれそうだがあいにく雨に降られたためパスした。また来る理由ができた。それに長野の地も踏んでいないためぜひ来ねば。さらば横川。
 ところで帰り高崎でですが、もう乗る機会がないかもしれんき新幹線で帰ることにしました。やってきたのはE1。ただしE2色。私的にE1にこれは似合わないと思いますが。
あとは時間が余ったので中央線乗り鉄しました。201系ですね。国鉄の通勤型はかなり広く分布していますよね。これだって西日本に結構いますし。 この後睡魔に襲われどこで撮ったかわからない写真が2枚。

その晩母は一足先に高知へ。18切符は5回までなので一人あぶれるわけですね。と言うわけで母が高速バスで帰ることにしていました。
以上で3日目終了。
4日目
品川 | 640 [普通]325M |
沼津 | 843 847 [普通]937M |
豊橋 | 1145 1156 [快速]2213F |
大垣 | 1314 1336 [普通]2271F |
米原 | 1410 1426 [新快]3475M |
野洲 | 1450 1505 [新快]3477M |
相生 | 1724 1725 [普通]13314M |
岡山 | 1828 1852 [特急]南風53D |
伊野 | 2150 |
4日目は帰るのみ。しかし意外な伏兵が潜んでいました。
前夜のこと。何気なく「切符は?」皆さん鋭いのでこれだけで気付くと思います。母がもって帰ってました。「どうするよ?」といっても買うしかないですよね。朝渋谷で購入。11500円也。伏兵も倒し後は行きと逆の工程をたどるだけ。少しラッキーと言えば品川で乗った普通が185系だったこと。特急型車両。一瞬回送か放送ミスかと思いましたが、種別がちゃんと普通になっていました。高知じゃ特急型で各停なんてキハ28が燃えたとき以外なかったのでちょっと得した気分。乗り心地がいい。 行きがけ見えなかった富士山ですが帰りも見えませんでした。残念。
そんなこんなであっという間に新大阪通過。西の新快速は特急並に飛ばしますね。おかげで岡山までは7時前に帰り着くことができました。思えば東海道線と山陽本線を乗りつぶしたことになるんですよね。これで。山陽本線は以前九州に行った時に乗りましたので。 岡山から南風23号で伊野まで行きます。18切符じゃ乗れないので乗車券も購入。30分ほど待って、来たのがアンパンマンでした。確かくろ鉄所有の。四国に入ったら一気にスローダウン。行き違い多いですね。単線の限界。しかしまったりするのもたまには必要ですね。電車は結構飛ばすので。そして5日ぶりにエンジン音に浸りました。ところでここでひとつ間違いが。喫煙席に座ってしまったために煙攻めに遭いました。ゲホゲホ
気を紛らわそうと暗闇の中旧線あとを探してみましたが、なんと見つかりました。車内の蛍光灯のボーとした明かりの中コンクリートの土台と思われるものが離れていくのが見えました。そして、これアプローチするのは無理じゃないか?と言う仮説?が。
そんなこんなで10時前伊野に着きました。電話で母に迎えを頼んでいたので程なくして母登場。無事帰宅できました。
ここで18切符の威力を試すため今回の運賃を計算。
・特急と新幹線を使用した場合(日下-東京-伊野で計算)
往路
・日下-高知 乗車券 \1050
・高知-岡山 乗車券+特急券 \15840
・岡山-東京 乗車券+特急券 \47550
復路
・東京-岡山 乗車券+特急券 \47550
・岡山-高知 乗車券+特急券 \15840
・高知-伊野 乗車券 \780
計 \128610
18切符でまったり(今回使った方法)
18切符 \11500
高速バス ×3 \17850
岡山から特急代 \11200
計\40550
ただし18切符を買い足したので+11500=52050
それでも新幹線等を使った場合の半分ちょっと。流石18切符。
ちなみに18切符を使わず在来線をまったり行ったら\45910 |
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