坪尻駅
開業 1950年1月10日
所在地 三好郡池田町字西山
秘境駅として有名な駅である。国道32号には案内看板が立っているが、最後の看板からさらに600m先に駅がある。秘境とあって、獣道と化した山道を15分ほど歩かなくてはならない。過去に探偵ナイトスクープという番組で紹介されたこともあるので、見たという人もいるのではないだろうか。他にも、センチメタルジャーニーというアニメにかなり高いクオリティーで出てきたとのこと。それ、どんな作品よ?
駅舎に入るとさわやかな看板が迎えてくれる。裏にはお疲れ様の文字。しかし平均乗降者数5人以下のこの駅では、この看板に迎えられる人は多くない。むしろ列車できた鉄道ファンがお疲れ様の後、ソッコーでおはようございますの看板を見て去っていくほうが多い。そもそもココは1929年に信号所として開設したもので旅客扱いは見越しておらず、地元住民の要望により駅に昇格したものである。その住民も現在では過疎で激減し、このような有様である。信号所時代からしばらくは駅員も居り、駅前には商店もあったというのがうそのようである。
この時刻を見て愕然とする人も多い。8時台の上りの次が17時。このため、この駅を利用するわずかな乗客は、多度津方面に出るためはまず一旦阿波池田に出て、それから上りに乗り換える必要がある。元々本数が少ないのに通過してしまう列車があるからである。ちなみに一度だけ、この駅を利用する人を見たことがある。国道から延々獣道を降りてきたその乗客は、なんと二人組みの女子小学生だった。どうやら友人同士らしく、「多度津方面に行くためには、一度阿波池田に出て、引き返してこなければならない」という、いかにも鉄オタか地元の人間しか知り得ないような内容の会話を交わしていた。ロリコン扱いされる恐れがあったが、証拠写真を撮っておけばよかったと後悔した。
ホームは新改駅と同じく、スイッチバック式の片面一線である。そのため、秘境駅として知られるこの駅でも、物珍しさからよく人が集まる。キハ54が停車中のホームの横を2000が快走していく。
池田方面に待避線があり、停車する列車は奥の左側の線へ突っ込む。元々はシーザスクロスポイントが設置されていたが、高速化改良のため片開き×2になってしまったことは残念である。クロスポイントの時代、本線は直線ではなくポイントをぐねぐね渡らなくてはならなかった。ポイント転換ミスすれば待避線に行ってしまう形だった。下に簡単に改良前の図を。