機関車編
最初に、今日本には、どんな機関車がいるのでしょうか。
有名な所を挙げると、
・D51型 ・C62型 蒸気機関車
・EF58型 ・EF66型 電気機関車
・DD51型 ・DE10型 ディーゼル機関車
となるでしょうか。
どの機関車にも、CやらDやらEなどのアルファベットに、数字がついていますね。
では、EF58 13を例に考えてみましょう。
E…1
F…2
58…3
13…4
1は、動力を表します。EはElectric(エレクトリック)の頭文字のE、Dはdiesel(ディーゼル)の頭文字のDを表します。
蒸気機関車にはなぜsteamの“S”をつけないのかは不明です。
ただ、電気機関車とディーゼル機関車には似たような形をしたのがありますが、蒸気機関車とは似てませんよね。
2は、駆動軸の数を表します。下にまとめてみました
A…1 B…2 C…3 D…4 E…5 F…6 G…7 H…8
ちなみに、日本にGの動軸を持つ機関車はいません。海外にもいないかも。
3は、蒸気機関車の場合タンク機関車かテンダ機関車かを、ディーゼル機関車の場合速度を、電気機関車の場合はさらに交流か直流かを表します。
下にまとめてみました。
国鉄・JR |
数字 |
蒸気機関車(略号:SL) | ディーゼル機関車(略号:DL) |
電気機関車(略号:EL) |
10〜29 |
タンク機関車 |
最高速度85km/h未満 |
最高速度85km/h未満の直流機 |
30〜39 |
最高速度85km/h未満の交直流機 |
40〜49 |
最高速度85km/h未満の交流機 |
50〜69 | テンダ機関車 |
最高速度85km/h以上 |
最高速度85km/h以上の直流機 |
70〜79 | 最高速度85km/h以上の交直流機 |
80〜89 | 最高速度85km/h以上の交流機 |
90〜99 | 試作機 | 試作機 |
JR貨物 |
100〜199 | - | 電気式ディーゼル機関車 | 交流モーターの直流電気機関車 |
200〜299 | - | 直流モーターの直流電気機関車 |
300〜399 | - | その他の直流電気機関車 |
400〜499 | - | - | 直流モーターの交直流電気機関車 |
500〜599 | - | 液体式ディーゼル機関車 | 交流モーターの交直流機関車 |
600〜699 | - | その他の交直流電気機関車 |
700〜799 | - | 直流モーターの交流電気機関車 |
800〜899 | - | - | 交流モーターの交流電気機関車 |
900〜999 | - | 試作機 | 試作機 |
となります。
また、余談ですが、電気機関車は例外を除いて直流機は青に、交流機は赤に塗装されています。
なお、称号改正前は数字だけで表していました。
|
1〜999 |
B型タンク機関車 |
1000〜3999 |
C型タンク機関車 |
4000〜4999 | D型又はマレー型タンク機関車 |
5000〜6999 | B型テンダ機関車 |
7000〜8999 | C型テンダ機関車 |
9000〜9999 |
D形又はマレー型テンダ機関車 |
10000〜 |
電気機関車 |
この場合の製造番号ですが、9600型を例に挙げると、9600が1両目、9699が100両目、19600が101両目となります。
また、8620型の場合、8620が1両目、8699が79両目、18620が80両目となります。
※マレー型
通常SLには一つしか台枠がありません。
台枠を二つ持たせ、それぞれにシリンダーと動輪を持たせたのがマレー型です。
交通博物館には9850型が展示されています。
9850の足回り。交通博物館にて。右が前です。
中央にシリンダーが写っていますが、写真右端のほうにもうひとつあり、二つの走り装置があることがわかります。また、ボギー台車のように左右に振ります。
※余談ですが、軸配置の呼称もあります。
←前 配置 後→ | 呼称 | |
○=先・従輪 ●=動輪 | 国鉄式 | ホワイト式 | アメリカ式 | 例 |
○●●● | 1C | 2-6-0 | モーガル | 8620 |
○●●●○ | 1C1 | 2-6-2 | プレイリー | C12 |
○○●●● | 2C | 4-6-0 | テンホイラー | 8700 |
○○●●●○ | 2C1 | 4-6-2 | パシフィック | C51 |
○○●●●○○ | 2C2 | 4-6-4 | ハドソン | C62 |
○●●●● | 1D | 2-8-0 | コンソリデーション | 9600 |
○●●●●○ | 1D1 | 2-8-2 | ミカド(帝) | D51 |
○●●●●○○ | 1D2 | 2-8-4 | バークシャー | D61 |
○○●●●●○ | 2D1 | 4-8-2 | マウンテン | - |
○○●●●●○○ | 2D2 | 4-8-4 | ノーザン | - |
●●●●● | E | 0-10-0 | テンホイールスイッチャー | 4110 |
○●●●●● | 1E | 2-10-0 | デカポット | - |
○●●●●●○ | 1E1 | 4-10-0 | サンタフェ | - |
○●●●●●○○ | 1E2 | 2-10-4 | テキサス | E10 |
○○●●●●●○ | 2F1 | 4-10-2 | ユニオンパシフィック | - |
●●●-●●● | C-C | 0-6-6-0 | マレー | 9850 |
4は、製造番号を表します。ただし、いろいろなメーカーに発注するので、例えば、50号機が先に落成して、
その後に49号機が落成するといったこともあるわけです。ですから、この番号順に完成したとは断言できません。
また、番台区分もあるため、製造両数がラストナンバーと一致するとは限りません。
※番台区分
DD51を例にあげると、製造番号が1〜500が0番台の一般型、501〜799,1001〜1800が500番台の重連型、801〜899,1801〜が800番台の貨物用という風に分けられている。500番台が799から1001に飛ぶのは800代が重連型、900代が試作機と定められているため。800番台が1801に飛ぶのも同じような理由から。
そのため、649両しか製造されていないのに1805とかいう番号が出てくる。
以上のことからEF58 13は、駆動軸を6本もち(F型)、最高速度を時速85km以上出せる13番目に製造された直流電気機関車ということになります。
最後に余談
対称な形をしている機関車でも機器の配置により前後が決められています。前側を1位、後ろを2位と呼んでいます。機関車には縁取りした四角形の板にの中に1か2と書いた物を貼ってあります。これは車端番号板といい、これで前後を見分けます。1とかいてあれば1位です。
ちなみにDE10等セミセンターキャブではボンネットの長いほうが1側となります。