伊野町街の旧道

 伊野駅前より分岐する旧道である。伊野商店街を貫いている現役バリバリの生活道路である。左へ逸れているのが現役国道。軌道に沿って直進しているのが旧道。
 コスモ石油前より。何故かここの信号の間だけ舗装がコンクリートである。コンクリートは固まるのに時間がかかるため、街中で使うのはデメリットが多い。しかし、アスファルトが普及する以前なら、言ってみりゃそれしかないわけで、街中だろうとコンクリートで舗装するしかない。そういう昔のものが今日まで取り残されているのだろうか。
 伊野電停前。軌道敷に比べ車道の狭さが目立つ。実際の所、手前の線路は使われていないので問題はない。
 街中を一本の川が走っている。早稲川(さいながわ)という。そこに吾妻橋という古びたRC橋が架かっている。
 昭和9年の架設である。
 橋の下を白く塗っているのは何のためだろう。少なくとも大事な生活道、普請は行き届いているようだ。
 114銀行の前で右にほぼ90度曲がる。
 さらに伊野図書館前で左に90度位曲がる。町中を走る旧道はよく交差点を直角に曲がるイメージが有る。
 某宗教団体の前の道端でこれを見つけた。コンクリートで出来ているが、黄色に塗られていてこの形・・・・・、距離標そっくりだ。自分は樹脂製のものしか見たことがないが、この道が現役の国道だったような昔には、コンクリートで作られていたのだろうか。なお後日、別の場所でも商店の建物の間に同じものが残っているのを見つけた。
 もう一本、橋が架かっている。銘板がないので素性は不明。吾妻橋と比べると新し目かな〜という感じ。渡ると45度位の小回りなカーブがある。
 カーブを過ぎると、大黒様でおなじみの椙本神社前を通る長い直線に入る。このへんまで来ると、町並みに古い商家が目目立ってくる。仁淀川にほど近いこの周辺は、川港を経由する荷物の集積地として栄え、それが町並みにも現れている。
 椙本神社前で現道と合流する。この日は粗大ゴミの日だったため、神社前がゴミで山積みになっている。
 反対側から見る。鋭角に分かれ、鋭角に合流する。典型的な旧道の形だ。

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