伊豆田峠


 国道321号線。足摺岬へ行くときは必ず通る道である。路線の半分は海岸沿いを通っており、走って気持ちが良い。中村を基点に土佐清水市、大月町を経由し、終点の宿毛に至る。基点と終点は隣同士の市なわけで、この間を56号線を走るとその間は20kmしかないが、321号線を通ると80kmもある。要するにこぶのようになっているわけだ。
   今回紹介する伊豆田峠は中村市と土佐清水市の境にある峠である。1910年(M43)、幡多郡道以南線として伊豆田峠を含む区間が開通したのが車道の始まりである。後に県道中村下ノ加江線、さらには国道321号線と変化する。1959年に伊豆田隧道が開通するまでの50年間中村方面との物流を支えていた。現在では、さらに低いところに延長1600mもある新伊豆田トンネルが開通し、難所は難所でなくなってしまった。つまり初代車道は旧々道にあたる。車道ができる前の伊豆田峠は少し北の山道がそれで、道幅は狭く大変険しく中村と往復するのに丸一日も掛かるようなひどい道で、船で海岸沿いに中村へ行くほうが速くて楽だったそうだ。そのため当時としては破格な規格で作られたこの初代車道は地元の人間に大変な驚きをもって歓迎されたそうだ。なお国道321号線が制定されたのは1970年のこと。つまり、正確に言えば旧国道ではなく旧県道なのだが、そんなことはキニシナイ。

 

  

 
 地図に青線と赤線で示したのが旧々道である。青線で示した部分は現在でも多少の車両交通がある部分である。舗装もされている。そして赤線で示した部分は廃道と化している部分である。峠から土佐清水側の旧道がやたら長いのも特徴だ。前回に引き続きrinazaemon氏と愉k(略オフ会である。
 
 
 中村側から進入。伊豆田隧道の前の広場の隅に入り口がある。現在でも途中まで林道として使用されており、稀に車が走ってくる。
 わずかだがガードレールも残っている。
 使用されていると言ってもそれほど重要な路線でもないらしく最低限の手入れしかされていない。こんな道でもバスやトラックが通っていた。
 すでに分岐地点で一服入れている人たち。右へ曲がる。林道を直進し、途中右へ曲がると川沿いに荒れた林道があるが、その道を行ってもいずれ旧々道に合流する。
 よさ気な雰囲気。
 本日の足。カブばかり登場しているが折りたたみ自転車+車で行くこともある。
 入ってすぐに整然と並ぶ石を発見。山側に敷かれているのが謎だが、排水溝かしら
 カーブを一つも曲がると巨石ごろり。早くも四輪はシャットアウトされた。これはかなりの高確率で廃道化しているしるしだ。
 近くにはガードレール的なもの。車道として建設された証だ。
 写真を撮っている間にどんどん置いていかれている。追いついたところでイベントが発生していた。
 土砂崩れを乗り越えるセロー。
 カブは無理せず土砂を回り込む。が、ラインを誤りチェンジペダルがもげてしまった。老体なのに無理してごめんよ。オフ会終了後、中村市内まで踏み返しだけで走った。ビジネスバイクでよかった。
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