土讃線大杉トンネル旧線 その1


 土讃線の阿波池田〜土佐山田は旧線の宝庫である。今回は大杉〜土佐北川までを探索したいと思う。
なお今回は知人であるF氏と一緒に行動した。
探索:2005.3/14



 例によって地図。見難いので手書きは止めた。
察しのとおり、赤い線が旧線跡である。
空中写真(国土交通省ウェブマッピングシステムカラー空中写真より)

なお、現地へは車で行った。勿論運転手はF氏である。(鉄道ファンなら列車を利用するべきであるが、なにぶん便が少ないもので… ヘヘヘ…)


建て替えられたばかりの大杉駅を見ておく。この真新しい駅舎は'03年に火災で焼失してから建て替えられ、このような姿になっている。先代の駅舎はいかにも国鉄といった無骨なコンクリート造りだったが、現在のそれはロッジを思わせる。


 大杉駅から400mほど高知方にいくと、新線と分かれる。写っているトンネルは新線で、右に続く道が線路跡。

写真が失われていたので「鉄る」の高松市民さんよりお借りしました。→


 旧線跡と思われる道路。大杉中学校の裏辺りだったと思う。辺りを捜索してみたが、この道路以外に廃線跡のような所は見当たらなかった。
ここに遺構は期待できず、車で流した。
なにぶん時間が半日しかない。



すぐそばにあった看板。旧線時代からのも物と思われる。
看板の地図で土讃線は川に沿っているが、現在はトンネルに入っている。

 穴内川に架かっていた橋はそのまま道路橋に転用されている。橋脚や桁の形からそれとわかる。先ほどの地区へ行くにもこの橋を渡る。
 橋を渡ると、旧32号線に沿うように路盤が続いている。なお、高知側から来るときはここから旧道に入る。一度で旧線と旧道が楽しめるわけである。この道路は今でも生活道として現役である。
橋の袂には建設会社らしき建物が建っている。平日だったため不用意に近づくのはまずいと考え、旧道を下へ降りられそうな所を探しながら車で走っている。
しかし、会社の敷地になっているようでトラックや資材が置かれており、なかなか降りる場所がみつからなかった。ずっと続いたら嫌だなと思いながら視線を先にずらすと…



 をあっ!!!

思わずこんな声が出た。

こんなものがきれいに残っているとは知らんかった。
ここは旧道であり、普段通らないので無理もないとは思うが、でもやはりこんなものがあると知らなかったのが悔しい。ネットで検索しても高知の廃線を紹介したサイトはほとんどない。「歩く」シリーズは書店で見たことが無く、しばらくして取り寄せて見たが最初である。


 悔しがってないでさっさと探索開始である。ガードレールの切れ目からおあえつらえ向きな道が降りていっている。


 目の前に来た。コメントに困った。
同じ廃線趣味を持つ者なら分かると思うが、この瞬間がたまらない。
いざ渡橋…



 …と言いたいが、先に後ろの線路跡を調べておく。
楽しみは後回し。

んでもって、同じ場所から大杉方面を撮っている。


 すぐそばには89キロポストがたったままである。あいにくこの有様で字は全く読めなかった。



 小さな沢を跨いでいたガーター(Iビーム?)橋である。今はコンクリで固めているが、裏側を覗いたところ、桁と思われる骨材が残っていた。


 その先はすぐに、写真のような盛り土がされている。越えた先は例の建設会社と思われるので、引き返すことにした。
轍が残っているが、この後ろは先ほどのガーター橋である。
なにをしに車を入れたか不明である。




いよいよお待ちかね、ガーター橋を渡り、旧国道とも川で隔てられた、旧線跡へ踏み出した。
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