白髪林用軌道1



 吉野川の支流に汗見川というのがある。本山町を流れる川で、早明浦ダムのすぐ東を流れている。かつてこの川沿いに林用軌道が敷かれていた。詳細はまだ調べられてないのだが、以前、近くに来たとき軌道跡と思われる山道を見つけ、一気に興味が出てきたのだった。ネット上に情報がほとんどないため、ほぼ未知の領域に足を踏み入れるわけである。
 

 2010年4月17日。久しぶりに天気に恵まれ、絶好の探索日和である。写真は土場跡である。軌道廃止後も機能している場所は多いが、ここはもう使われてはいないようだ。遠くには小さく早明浦ダムの堰堤が見える。
 土場を出た軌道は少しの間、吉野川沿いに走っている。ダムに突っ込んでいきそうな感じだが、堰堤の手前で進路を変え支流に入る。
 そのうち県道の橋が見えてくる。吉田橋という橋である。あの橋を渡ると土佐町。軌道は県道を横切る。
 横切る直前に橋があるが、見た目からして廃止後に作られたものだ。多分。
飛び出した筋交いは切らなくていいのだろうか。
 軌道の一部は体育館の新築の際に埋もれてしまったようだ。
 左手の藪の後ろに橋がある。
 吉野小学校横の軌道は道路になっている。
 元々はまっすぐに敷かれていたのだろう。
 学校を過ぎた所で、林鉄にはあり得ない急勾配になっているが、この辺は地形が変わったのだろうか。それとも道路と川の間に路盤が? この辺では既に吉野川を離れ、支流の汗身川沿いを進んでいる。
 道路の外に路盤がないか眺めてみたが、多分ない。
 道路は少し上ったところでヘアピンカーブを描く。この道は少し行くと堰堤に出る。九十九で高度を稼ぐのだ。
 軌道は正面の暗がりの中だろう。
 軌道跡だと思われる山道に入ってみる。
 石積みが残っており、軌道跡である可能性は高い。
 この道の下に路盤のようなものはなく、これより高い所に軌道が敷かれていたとも考えにくいため、この道がかつての軌道跡と見て間違いはないだろう。
 小さい掘割発見。
 きれいな石積みが・・・と思ったらコンクリートブロックだった。後年作られたものだろう。そういえば藪化してなくどちらかと言えば歩きやすい。現在でも普請しているのだろうか。
 少し行った所で崩落があったらしい。だが、やはり何度も人が通ったような跡がある。
 しかし、それにしても狭く岩肌もまだ白い。上から土砂が崩れてきたわけではなく、路盤が落ちてしまったために岩肌を削り直し、道をつけたのかもしれない。
 1個目の半島の先端を周る。
 途中で電信柱の基礎のようなものを発見。電話線でも引いていたのだろうか。しかし此処以外には見かけなかったのでほかの設備だろうか。
 この付近には人工的に作られたと思われる広場がある。
 石垣が残っているので建物があったのだろうと思う。