西の川林用軌道跡9
軌道跡まで戻ってきた。今回で終点まで到達する見込みだ。
出発してすぐ、左後ろへ山道が分岐していた。たぶん、造林小屋へは本来ここから登っていったんだろうと思うけど、ひょっとしたら名野川越への分岐だったりして。
すぐ横には看板も立っていた。現役時代の何かか峠への案内看板かと思ったが、ただの
鳥獣保護区だった。ちなみに環境庁(1971-2001)名義だった。
看板を過ぎると少し荒れている。
荒れ方としては大人しいもので、程なく落ち着いてくる。
斜面がゆるくなった。
川がS字に曲がっている。こっちは内側のなので、地形が緩やかで道もやや広い。
やがて徐々に左右が切り立ってきた。S字の中間にいる。
さっきとは一転して断崖の道。路体は石積み。
なんか、景色が急に白く粉を吹いたようになった。薄っすらと積もった雪だ。でかい氷があるんだから、雪くらいあるわな。立ち往生するくらい深くはならないだろう。そろそろ終点だし。
石積みはしばらく先まで続いていた。奥の方は谷になっていて、水抜きの暗渠がきれいに残っている。
そこを過ぎるとやや大きな欠損があった。倒木も多い。
崩落を過ぎるとまた落ち着いた道が続いていた。
が、様子が変だ。露骨に坂が急になった。
この画像が一番分かりやすいだろうか。カーブ一つ曲がるだけで自分の背丈と同じくらいの高低差がある。周囲の立木から分かるように、カメラが下を向いているわけではない。とても軌道を敷けるような坂ではない。
GPSを確認すると、いつの間にか終点の予想地点をとうに過ぎていた。
しかし、ただの山道にしては道が良すぎる。ここなんか、岩を削って道を通してある。道幅も十分だ。坂がきつすぎる点を除けば、軌道跡と遜色ない。
結論を言えば、これは木馬(キンマ)の跡だという。
つべでみつけた分かりやすい木馬のビデオ
この道はどこまで続くのだろう。終点は過ぎたし時間も押しているのに、なんだか引き返すきっかけを失ってしまったようだ。
残念と言うか幸いと言うか、そこから奥へはあまり行けなかった。途中の谷で道が途切れていた。奥には橋台が見え、橋が架かっていたことがわかった。
谷には水が流れ、周辺はところどころ氷が張っている。雪も積もっているし、無理に渡ろうとすれば真っ逆さまに谷底まで連れて行かれるだろう。
下を見ると、すぐそこに迫っていたはずの谷底がまた下の方に遠ざかっていた。短距離だったがそれだけ急な傾斜で登ってきたということだ。ここを潮時と見て、引き返すことにした。
それで結局、軌道の終点はどこだったのだろう。多分E地点の直前だろう。崩落していたところを過ぎたところから露骨に急坂が始まったのを覚えている。それに幅もやや広くなっている。空のトロと丸太を積み終えたトロが行き違っていたのだろう。
周りを見てると、木馬道の下にもう一本道があるように見えたので進んでみた。
明確な踏み跡があるしピンクテープもあったので、何かしらの道ではあるようだ。
河原に出て終わっていた。
ここに出てきた。軌道跡ではないっぽい。
終点から下流側を見る。山肌に軌道の平場が伸びていた。
なお、車道を外れてからここまで約2時間。帰り道は、脇目もふらず歩いたら1時間せずに車道に出た。
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