佐喜浜林用軌道跡5
後日、段から末端の区間の調査に赴いた。左岸からのスタートだし、
地形図に描かれている道があるのか気になったので、段橋から左岸を歩いていくことにした。地形図通りならこの橋の袂から道が伸びているはずなのだが、そんな雰囲気はない。誤情報か、それとも土砂崩れで埋まってしまったのか。
しかし暫く行くと平場が現れ、道があっても良さそうな雰囲気になってきた。
すごく道っぽい。
・・・んだけど、昔の空中写真見ても、道があるっぽく見えないんだよなあ。それより上流に橋っぽいものがあるように見える。当然、今この道はない。
暫く行くと平地が広がっている。かつては左岸側の斜面にも集落があったらしいが、無人化した後で植林されたようで、現在は杉林になっている。上の写真で、道路が渡って来ている?辺りがこの付近なのだが、周辺にはかつて集落があったことを彷彿とさせる様々な遺物が落ちていた。
最初に見つけたのはジュースの空き瓶だった。ミリンダの瓶。濃い緑の瓶はレモンライム風味だったそうだ。
スーパーカブの廃車体。ほとんど崩壊寸前なので、初見ではスーパーカブだとは分からず、メイトとか競合車種かもと思ったが、エンブレムを見てようやくカブだとわかった。というか、よく直立してんなコレ。伊尾木林道小川線の事業所跡でもカブの廃車体を見た。林道とカブは深い間柄にあるらしい。ただし、支流の左岸側(こっち側)は営林署職員の宿舎ではなく、一般人が暮らす土着の集落だったようだ。このカブもここの住人の持ち物だったのだろう。なんだか勿体ないな。
しかもまさかのカブ55(C105)。90ccがリリースされる以前に、わずか3〜4年くらい売られていたモデルである。2種原付となるので、2ケツ可、最高速度が40キロ(当時)、2段階右折不要などの恩恵があるが、たった5cc差ではパワー不足は否めず、90ccがリリースされた。とはいえカブ55の系譜も、65cc、72ccと拡大されて、そこそこ息が長く平成10年くらいまで存続した。
近くには4輪車もあった。ダイハツハイゼットキャブ。コーションプレートによるとS35型。サブロクの軽トラだ。キャビンだけが置かれているように見えるが、台枠も下にある。錆びてキャビンがフレームから外れ、地面に接地している。
これはチェンソーの残骸。持ち主は温暖な季節は農業をし、冬は林業をする、半農半林の暮らしをしていたのかもしれない。
上流方向へ道が続いている。これは軌道跡ではなく集落内の道。
荒れてくる。
建物が残っている。お宮かな。
谷地を横断する。上流には石積が見えている。アレが軌道の路体だろう。
暫く行くと石塀が残っている。建物跡らしい。
犬走りかな?
炊事場跡。空き瓶が散乱している。
おかまさま。
ノップ碍子。
ジョイントボックス。
瓶。
陶器製のタンク的なもの。
何かの機械のようなもの、ハンドルでネジを締めて、何かを挟む構造になっている。
鉄の茶瓶。
硫酸瓶?。
穴開きの釜と農機具の残骸らしきもの。納屋でも建ってたのかな?
時計の残骸。
脱穀機の残骸。
いつの間にか砂防ダムの上へ来ていた。
程なく石積の路体が現れる。廃村跡ツアーみたいになってしまったが、次回は軌道跡に戻る。