一の谷林用軌道岩茸線その6(終)



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 ヘアピンを抜け更に進む。終点まではもう折返しも分かれ道もない一本道のはずだ。


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  程なく谷と交差した。段差が低いので難なく通過。


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  しばらく変化のない道のりが続くが、久々に切り通しが現れる。


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 その切り通しを抜けると、そこはすぐ深い谷に面していた。ヤカンが落ちていた谷の上の方だ。


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 よし、ちゃんと向こう側もあるな。


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 右手を見ると、小さな谷川が滝のような角度で流れている。水量は少ないけど急傾斜でめっちゃ滑りそう。


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 見た感じにもすごく渡渉が難しそうな谷だが、不思議とどうやって渡ったのか覚えていない。写真のExifを見てみたがが、大して時間が経過していない。見た目とは裏腹にルート取りが容易で印象が薄かったのかな。


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 終点側。


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  またひとつ切り通しを抜ける。


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  前ページのE地点の上のあたり。40分強で戻ってきた。


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 下から見えていた石積みもこの辺りだろう。


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  そして程なく第二インクイラインの上端付近へ。前回の調査のときは知らなかったので、この画像は三回目のときのもの。


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 前ページの記述通り、確たる痕跡はなかったが、緩やかな斜面が続いていて「大体この辺だったんだろうな」と推察できた。


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 そしてこの付近から急速に荒れ始める。路体の欠損は少なめだが、とにかく藪がすごい。季節が不適なのもあるが、手前の区間と比べてもかなり藪がすごい。


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 三回目の調査のとき(四月)はゴリ押せたが、十月のときは堪りかねて河原へ降りた。一応、河原から石積み画像が確認できた。


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  やがて岩茸川がぐんぐん標高差を縮めてきて、軌道跡とほとんど変わらない高さになった。明確に軌道跡の平場が確認できたのはこの位置が最後だった。路線図もこの谷間で線が終わっている。岩茸線を踏破したようだ。


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 ただ、雰囲気的に作業軌道なんかが更に奥地を目指していと思われる。たいてい、伐り出してきた木をトロッコに積み込むなど、作業のためのスペースが終点部にもあったはず。しかしココではそれがなく、尻切れトンボになっている。そもそも路線図をよく見ると、軌道は終点直前で再度右岸側に渡っている。意味もなく行ったり来たりしないだろう。


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  右岸側を調べると、不自然に石が積まれたようなところを発見。


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 その奥は急斜面だったが、溝状になっている。第三インクラインの可能性が?


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 一応奥の方も確認。大雨で転がされてきたのか、かなり大振りな岩が積み重なっている。


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 更にその先の様子。左岸側(右)には小さな滝がある。その奥の方は岩で川幅が狭まっており、その先は川が段々になっている。この先に軌道を伸ばすのは難しそう。


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 古い空中写真を確認してみると、思った通り最終到達点から一直線に駆け上る線が見える。何ならその続きの作業軌道?も見える。予め知っていたならそこまで足を伸ばしても良かったかなと思ったが、当時は知らなかったし、一応岩茸線の二級線部分は踏破したので、岩茸線についてはこれで終わりである。




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