
藪化している。

仮に手前の落石をすり抜けたとしても、ここの藪で心折れて引き返していく人が殆どに違いない。

食わず芋がコロニーを作っている。その向こうに、大きな石積みが見える。

元は小さな谷川を渡る築堤だったようだが、角のほうが崩れてきて道幅が狭くなっている。道の反対側も崩れているので、軽自動車がやっとと言うくらいの幅しか残っていない。

道の下の暗渠はまだ機能している。これは山手の開口部。明治の開通時のものなのかな? あいにく自分は石積みを見ただけで年代が判るような鑑定眼は持っていないので、「古そうダナー」くらいしか思いつかない。

海手の吐出口。路肩の崩れている箇所はどちらも穴の上。詰まって水が溢れたわけではなさそうだが、なんでここだけ局所的に崩れてしまったのだろう。

谷の下にはコンクリートで出来た構造物のようなものが見える。

50年ほど前にはこの谷沿いに数戸の民家があったようなので、谷の水を利用する何かがあったのかもしれない。

道は谷を越え先へ続く。少なからずこの道に日常を支えられた人がいたはずだが、重なる落ち葉には踏みしめられた跡もなく、長期間ほとんど交通のない状態が続いていることを示している。

路面には石が転がっている。斜面が不安定で、雨や風に吹かれて落ちてきたようだ。路肩には逸脱防止のためか、コンクリートの縁が造られている。

路肩と斜面からツル植物とシダっぽい植物がもっさり繁茂していて、通路を圧迫している。

そこを過ぎると、コブ状に道路が広がっていた。離合場所として使われていただろう。

その先、大雨のとき谷の水が路面を流れていくらしく、全体的に薄く砂利が積もっている。またゴロゴロと石コロが目立つ。

その先も植物の回廊が続いている。植物園にでも迷い込んだみたいだ。

なお、前のページで、「今でも公道なんじゃないか」と書いたが、思った通り、公道で間違いないようだ。認定路線網図という資料があり、大半の自治体が自分トコで管理している道路が分かるような資料を作っている。web公開されているかはその自治体次第だが、ふと室戸市はどうかと公式サイトを探したら、有難いことに
ネットで公開されていた。そしてそれによると、この道は現在もバッチリ市が管理する(管理されているとは言っていない)道路法の道路(=公道)であり、名は市道椎名室戸線と言うそうだ。まんま"県道"が市道にスライドしただけだナ。自分で確かめるなら、上のリンクを開いて96,100,101番を見るとよい。

日陰になっているところはモッサリしていない。こういうところは林鉄歩きと変わらないわね。

狭さ記録更新。

そして日陰に入る。少しホッとする

ここには鉄棒が一本生えていた。道路標識の跡だろうかと思ったが、異様に背が低いのが謎だ。交通標識は最低取り付け高さが決まっているので、こんなに低いのは基本的にないはずだ。取り付け跡が錆として残っているので、切断されたわけでもないだろうし、ウーム。

上から穴をのぞけるくらいに背が低い。標識ポールの断面なんて初めて見るけど、結構肉厚があるな。ぶつかった車が大ダメージを受けるわけだ。

山頂が近づいてきて地形が緩んできたのか、チラホラロングストレートが現れる。

またも沿道に平場が現れ、碍子や菊型ローゼットなどの配線器具や、鍋蓋、ポリタンクなどが転がっている。ここも建物跡かな? 古い空中写真を確認したが、不鮮明で建物があるかよくわからなかった。その代わり、斜面の上のほうに耕作地が見え、その周辺にはチラホラ建物のような物が見える。ならば道沿いのここにも建物かあっても不思議ではない雰囲気だ。

その先の道沿いにも大きな石積が残っている。上は畑か田んぼかな。

段々にも石積みが残っている。ところで話は変わるが、鼻周り線ができる以前は、この付近から南の方にがあり、三津や高岡方面への行き来に使われていたようだ。探索当時は気付いていなかったのでスルーしてしまったが、赤色立体図だと、今でも道が残っていそうだ。

転がりそうな巨石が鎮座する十連線沿い。昔からあるのかな。今の基準なら多分撤去対象だろう。

暫く行くと、また路肩が欠損していた。端から土嚢袋かフレコンバッグみたいなものが見えるので、応急復旧したところがまた崩れたのかもしれない。薄っすらと崩落を避けて走る轍が見えるので、根性でここを通過していった車がいるらしい。

崩れた土砂が立木を薙ぎ払ったのか、下の現国道が真っ直ぐ丸見えで、通行中の車が見える。

その後も、大きめの石が転がり込んでいる場面に遭遇したりもして・・・

ついに、完全に藪化している場面に出くわした。今までも怪しい場面は何度かあったが、辛うじて路面は見えていたし、繋がっていたので、曲がりなりにも道路としての体裁は感じられた。また上記の通り、書類上は今でも公道である。しかし現実は、もはや車道の機能は喪われており、廃道化していると言ってよいだろう。

木立の間から道の駅みたいなものが見えた。その正体は道の駅ではなく、海洋深層水研究所のようだ。

幸い、藪化している距離は長くなく、1分かからず突き抜けることができた。

どうやらそこが藪化のピークらしく、その後は怪しい所がありつつも、段々と藪は治まってくる。

ここまで、怪しい所が散見されたものの、全体的には道は良い方でだと感じた。出発前は廃道アタックも覚悟していたが、路体がごっそり崩壊して、迂回を強いられるというような場面もなく、
少しつまらない順調な探索ができているのは僥倖だ。