上関林用軌道 その3




 前回の探索から2年が過ぎてしまった。F氏は少しだけ遠い所に行ってしまったので今日は単独行である。変な鉄棒の地点から再開だ。落ちている丸太や竹が場所が動かずそのまま朽ちているのがタイムワープで不思議な気分だ。ただ変な棒だけはカラフルにコーディネートされていた。国土調査の目印かな?




 開始からわずか3分で嫌な場面に出くわした。



 小さな滝がその下の盛土を洗い流している。この日、小雨の降る中での探索だったが、滝にほとんど水が流れていないので、よほど大雨が降らないと水が流れることはないようだ。恐ろしいことに、この真下にある民家がこんな有様になっている。2年前の探索のときも、この家の前の山道を下っていったのだが、そのときはまともに立っていた。前回の探索の年(2018年)は西日本豪雨の年で、本山町でも5位の降雨量を記録している。



 濡れた岩肌とトレッキングシューズは最悪の取り合わせだが、木の裏や僅かに残った砂地を通過できた。



 死亡遊戯の後はまた落ち着いた軌道跡を歩くことができた。




 落ち着きすぎたのか車道になってしまった。左奥から上ってきた林道がココでヘアピンを描き、軌道跡を登って行っている。




 路面は荒れており、このところ車両は走っていないようだ。山手の方を削って拡幅したようで、川手の方には軌道時代の遺構は残っている。C地点には暗渠の残る石垣がある。反対側から見ると二連続で残っている。




 例外的に、ここには目立つ遺構はない。水量の豊富な谷川を跨いでおり、車道になる前かなった後で崩壊したようだ。路面がコンクリートで固められているので案外最近改修したのかもしれない。その手前が抉られてしまっているので再改修だな。これも2018年豪雨のせいだろうか。この溝が地味に深かった。




 D地点に隣接して小ピークがある(地形図参照)。軌道は間の鞍部を越えていたようだ。実状的にはと言ったほうが正しいか。当初この鞍部にトンネルがあったのではと予想していた。実際は遥か下流の合茶地区にあった、というのはレポート冒頭のとおりだ。地形的にも土被りが浅いので、当初から切り通しだったと思う。あるいは小ピークの下をトラバースしていたかもだが、痕跡はないように思える。藪ったの中まで確認はしてないが。


 切り通しを抜けると上下に道が別れた。軌道は上。すぐに森の中に入る。ちなみに下に行くと廃屋があった。



 森に入ると道が別れた。とても記憶が曖昧だが、左の道に行った気がする。GPSのログは乱れていないので、この日の自分は迷わず正解を引き当てたようだ。




 E地点に比較的大きな築堤か橋の跡があった。が、壊れている。そこを過ぎると間伐材が放置されていて歩きにくい。



 F地点の直前でまた車道と合流した。E地点の手前(2個上の写真)で別れた車道と再合流したっぽい。




 同じところから進行方向を見る。右のスロープは地形図で破線で表示されている道。軌道跡(を踏襲した林道)は真っ直ぐ水平に行く。・・・が、すぐ先に石がゴロゴロしている。




 これも2018(ry
  橋台か暗渠かわからないが、終点側起点側に一部の遺構が残っている。



 FG間はかなり状態の良いといえる。基本的に杉林の中を進んでいくが、岩を削って切り通したところやきれいな石積みが残る盛土区間を見ることができる。



 山間部の軌道としては珍しい長めのストレートを抜けると、若干崩れているが小さな尾根先をショートカットする切り通しが残る。このへんで野生の鹿と遭遇。カメラを向けるとあっという間に逃げてしまった。シカたないね。



 尾根(先のとは別。近い所に2つ尾根がある)を回ったところでまたまた林道が上がってきた。



 林道は一瞬だけ軌道跡を踏み潰した後すぐに斜面の上へ行っている。空中写真を見ると、林道の先には古い伐採の跡があり、斜面が"薄く"なっているのがわかる。



 伐採は軌道沿いまで及んでおり、2010年頃のGoogleEarth画像ではこの部分の軌道跡がはっきりと分かる。




 H地点でまた林道に出る。この林道はひときわ立派で、それもそのはず、白髪山の行川ルート登山口に至る、一般地図にも記載のあるやつだ。左のGoogleマップにも表示されているはずだ。専用林道ではないので一般車にも開放されている。未舗装だがSUV車なららくらく通行できる。と言っても、この頃には大雨からの崩落のせいで通行止めだったが。



 右上の壁は林道のもの。林道は軌道跡との交点を頂点にヘアピンカーブを描いている(左の地図参照)。軌道は林道の間に敷かれていたはずだが、車道の造成のせいか痕跡がなくなっている。左の谷筋に痕跡がありそうなものだが、これも流されてしまったのか、単純に自分が気づかなかったのか、発見できなかった。




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