安居林用軌道安居線2



 やがて樹林帯の中に入っていき、藪は収まる。
 A
 眼下に見える家屋と県道から、かなり高いところを通っていることがわかる。
 B
 しばらく行くと車道にあたって途切れる。
 この道は県道ではなく、大屋の集落に向かう町道である。
 軌道跡は町道に転用されたらしく、それまで町道は急な勾配で登ってきていたのに、軌道とあたってからは水平に近いゆるい勾配しかない。
 しばらく行くと谷に橋台の残骸のようなものが見えた。この付近から町道も勾配を上げており、路盤を離れていくことが想像できた。
 しばらく下を見ながら歩いて行くと、途中に砂防ダムのようなものがある。それを過ぎた所から路盤が復活する。
 取材当時は、幾ばくも進まないうちに切った枝を大量に積み重ねたような場所に出て、進むに進めなくなった。
 C
 大屋の集落中を進む軌道跡。大屋の集落は県道沿いと、その上の町道沿いに家屋が集中しており、軌道はその中間を通っている。
 わかりにくいが、集落の中ほどで四叉路になっている。
 四差路の先。軌道は小屋の中を突き抜けている。
 小屋を抜けると、一瞬軌道らしさを取り戻したように見えるが・・・・
 車道に橋が見えるよという位置で終わっている。
 D
 どうやら車道化の際に削り取られていしまったらしい。大屋から安居渓谷までの軌道跡は県道に転用されている。
 金網の横に出てくる。
 少し進んで、紅葉谷と呼ばれる所。この辺りから観光色が強くなってゆく。この頃は観光シーズンから完全に外れており、紅葉も観光客の影も形もなかった。それに、自分が欲しいのは紅葉ではなく軌道の遺構だ。
 E 更に進んで、千仞峡というところ。新旧二本の道路橋が架かっているが、軌道の橋はこの2つの橋の間に架かっていた。
 起点側はイマイチ分からなかったが、終点側の橋台はしっかり残っている。
 終点側から橋のあったところを見る。道路橋がずれて架かっているところを見ると、軌道の橋を生かしつつ車道を作ったことになる。迂回路がないことからの措置だろう。これを読むと、森林鉄道があった頃から観光開発を始めていたと読み取れる。
 同じところから進行方向。
 右岸に移った車道は岩壁と崖の間の狭い間を通り抜けている。離合できないところもある。今でも圧迫感を感じるのに、軌道時代は更に狭かったはずだ。
 F
 少し進んで見返り橋というところ。近くに見返りの滝という滝がある。
 谷に橋台らしき石積みがある。
 対岸のこれもわかりやすい痕跡だ。浅いながら切り通しが残っている。
 更に進む。この切通も軌道時代からあったものだろう。
 G
 更に進んで、売店大関前の駐車場に到着。見た目からして遺構はないだろうと思い通過。
 H
 更に進んで宝来荘近く。ここも同じだろう。

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