安居林用軌道安居線4


 階段を登るとすぐに軌道跡地をとらえた。
 この頃は紅葉シーズンに入っていたので、路盤にもきれいな紅葉が見られた。ちなみにこの近辺の調査は二回目である。HDDの不調により、ある時期の写真を失ってしまった。そのため、レポ内で多少季節が前後している。
 やがて雲行きが怪しくなる。小規模な地滑りがあったらしく、路盤がガタガタである。
 なんとか平場を見つけて進んでゆくと、二つの小屋が路盤に鎮座していた。
 A
 脇が甘いので横から抜けてこられる。小屋の先はススキヶ原になっていた。
 背後。左を通れた。
 すすきの広場の先も、山肌にそって軌道が伸びていた。
 少し進むとまたも小屋が邪魔していたが、ここは中を通り抜けられる。
 更に進むと樹林帯に入り、藪が収まる。
 B
 途中、ちょっとした難所があった。当時は桟橋になっていたのだろうか。
 山の際にちょっとだけ平場があるので迂回は不要である。
 そしてなぜか真空管のようなものが落ちていた。
 途中小規模な崩落があったが、総じて状態は良さそうである。
 懐かしい缶ならぬペットボトル発見。下駄を履かせていた頃の古い炭酸飲料用のペットボトルである。
 C
 順調に進んできていたが、とある谷に差し掛かったところで路盤が無くなってしまった。
 谷の流れによって路盤が削られ、無くなってしまったようだ。
 起点側、終点側、ともに橋台は残っていない。もっともこの状態では、暗渠になっていたと言われてもわからないだろう。
 谷を越えると無事路盤が復活した。
 D
 しかし、それも僅かな間だけだった。斜面に消えている。
 理由はこれ。町道に転用されたためである。
 カーブミラーの近くに出てくる。
 しばらく車道を歩くことになる。
 まだまだ行く。
 E
 前方に掘割が見えた。
 堀割を境に車道はきつい下りに転じる。
 つまり路盤はこの斜面の上にあるのだろう。
 斜面を少し登ると、お目当ての路盤に辿り着いた。
 F
 更に少し歩くと谷に出て、両側に橋台が残っているのを見つけた。
 状態はかなり良く、両側ともほぼ完全に残っている。両岸がコンクリートブロックで固められている。よくぞ撤去されなかったものだ。
 そこからしばらく水平に移動する。
 G
 しかし、程なくして斜面に消えている。
 原因はこれだ。この奥に滝があり、そこへ向かう遊歩道が作られたからである。この谷を渡る車道にはうすぎ谷橋という橋が架けられていた。それで、どうやらこの谷はうすぎ谷と呼ぶらしい。
 また、滝の名前は昇龍の滝という。
 あのへんから出てきた。
 この付近で犬釘も見つけた。
 ここから少しの間は遊歩道を歩くことになる。一応整備されているので楽に行けるだろう。
 対岸に目をやると、既に行く先が見えている。橋台を見逃さないようにしなくてはいけない。
 しばらく行くと、龍神公園という場所に入った。
 H
 すると間もなく、足元に橋台らしきものを見つけた。
 対岸にも橋台が残っているのを認めた。

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