一の谷林用軌道一の谷線その6



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 A地点より再び軌道跡の単独区間が始まる。ヘアピンカーブ画像(車道)の手前で分岐しており、一段下に平場がある。当初はヘアピンの根際から分岐していたと思っていたため、入り口を探し出すのに結構手こずった。この先は再び車道に踏襲されることなく、終点まで単独のままである。


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 ヘアピン(車道)のすぐ横に谷川が流れている。この周囲がかなり荒れており、周囲の路体ごと橋台が消滅していた。これも手こずった理由の一つ。


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 こちら進行方向。スズタケの生えているところ(中央左上)が平場になっている。


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 ここもひどいスズタケの海だった、左側は恐らく崖なので、山沿いを歩く。石積みの擁壁が残っている。途中で藪が濃くなったので、たまらずに姿勢を低くし潜った。ヤブの中を一条の踏み跡のようなもの画像が走っていた。トトロか。


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 やがてスズタケは晴れた。あまり良い状態とは言えないが、先へ進むのは問題なさそうだ。


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 足元に暗渠が残っていた。
  右下何が写り込んだんだろ?


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 川沿いの斜面を、切取りにより通過している。斜面上部から水が滴り落ちていて、路面に土砂が積もっている。そのせいで川に向かってスロープになっている。その先は逆に路肩が削れて画像いる。どちらもまだ、通行には支障ない。


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 更に進むと、かなり広範囲に崩れた跡に出た。傾斜は大したこと無いが、倒木やゴツゴツした大きめの石で歩きにくい。そんな中に、奇妙なほどにピカピカな石積み画像が残っていた。


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 崩壊地を抜けると、軌道は左へ急旋回。そっちは川だゾっと。


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 ここで瀬戸川を渡るようだ。きれいな突堤が残っている。瀬戸川を渡るのは二回目であり、これが最後。


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 起点側の橋台。欠損等なく、きれいな状態で残っている。上流側に大岩が鎮座しており、盾のように守っている。橋台には段がついている。ここも方丈橋だったことが伺える。


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 近く窪みのついた岩が見られる。橋脚を立てていた痕だろうか? 上流部とは言え、川幅はまだまだ広く、ひと跨ぎと言うわけには行かなかったと思うが。でも、一個しか無い。甌穴の出来損ないか?


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 対岸側にももう一個ある。こちらは二個組で残っていて、よりらしくみえる。だが、軌道の中心からかなりズレているのが気になるところ。大雨でズレたのだろうか。


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 終点側の橋台。こちらは大岩の盾はないが、欠損は見られない。下流側の岩が支えになって守っているのだろうか? 水に触れる土台部分に大きめな石が使われているのも丈夫な理由だろうか。


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 橋梁想像図。終点側橋台の横に、石製の境界杭画像があった。これも軌道由来だろうか? 


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 終点側の築堤。こちらも欠損等なく良好。かなり本気で作ってあるようだ。


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 黒丸地区以来右岸に戻った軌道は、一旦下流方向へ進んでいる。残り距離は直線距離だと1400mほどだが、比高はまだ150m以上ある。遠回りをして高度を稼がないといけない。ここ(橋)をヘアピンに数えるか悩んだが、収まりが悪いので180度方向を変えるという意味で第7ヘアピンとした。ヘアピン以降は一転荒れ模様。


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 暫く行くと落ち着いてくる。


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 石積みの路体が続く。その先に橋の跡。


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 橋台は両側残っている。終点側画像は根本がやや欠けているように見える。そのうち崩れるだろう。


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 剥げた斜面に出た。伐採の跡かな? 足元には石積み。上の方にも石積み。ヘアピンが近いようだ。


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 第8ヘアピン跡。ここは一の谷の中では珍しく、比較的傾斜のゆるいところにある。一連のヘアピン群の中でもかなり地味。


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 ヘアピンを抜け上流部へ。 


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 下の段を見つつ進む。急速に比高が開いていくので、じきに見えなくなっていく。


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 盛土を守る石積み。下から見えていたのはこのへんかな。


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 C地点の上。壊れた橋台が残る。起点側画像は無事みたい。
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 だんだん保存状態が怪しくなってくる。
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 この辺は第7ヘアピン(橋)の上の辺り。


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 岩を掘り割って軌道は進む。


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 反対側から。近くには何かを固定していたのか長いボルト画像が突き刺さっている。


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 瀬戸川に注ぐ渓水と交差。橋の跡がきれいに残っている。なんか、谷底がやたらと近い画像。埋まったのかな? 石の大きさで違うとわかるが、形だけ見れば複線規格だ。


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 橋の先は状態が良く、石積みの擁壁なども残る。


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 その先には暗渠画像も。


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 頭上を見ると石積みが見える。路線図上だとまだヘアピンが4つ(つづらが二組)残っている。第9ヘアピンが近づいているようだ。ただまだ高い位置にあるので、たどり着くにはもう少し間がありそうだ。


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 ヘアピンに着くまでの間にも橋の跡が一つあった。水が流れていなかったので、梅雨や夏場だけ現れる川のようだ。橋台は起点側画像だけ残っていた。


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 「もう少し間がありそう」と言ったが、5分程度でヘアピン跡に着いた。やはり相当に勾配が急なようだ。画像はパノラマ合成による。やや次元が歪んでいる。ヘアピンの突き当りには小川画像が流れていて、面白い地形になっていた。


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 ヘアピンを抜けた軌道は掘割(というか溝)を抜けていく。両側に土留の石積みが残る。


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 9,10ヘアピン間。最初の方は藪化していたが後半画像以降は状態が回復した。


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 第10ヘアピン跡。9ヘアからは約7分ほど離れていた。


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 やや土砂の流入や落石が目立つ。


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 斜面からの俯瞰。道形ははっきり残っている。


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 残るヘアピンはあと2つ。残距離は約1キロ。




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