伊尾木林道小川線跡1




 いつもと変わらない白さである。(文字量的な意味で)

 この路線での経験はインパクトが強かったので、長々しい序文を考えたのだが、結局いつもどおりのレポートになってしまったようだ。でもまあ、前半だけに限って言えば、自分で既に三番煎じだし、序盤は結構飛ばし気味に歩いたし、本番は後半以降だ。ここはサラリと流していこうではないか。
 玉井御殿横の舗装された道をゆく。伊尾木線との分岐はこの塀の中だと思う。
 程なく舗装は途切れ、山間に入ってゆく。本格的な軌道探索の始まりである。GPSロガーの電源を入れ、カメラの時計をGPSの時計にあわせた。こうすると、レポートを書くときにどこで撮影した写真か丸わかりになり、捗るのである。
 森の中は1時間ほど時差があるようだ。まだ日の出前のように暗い。手ブレに気を使いつつカメラのシャッターを切った。足元には軽トラが刻んだダブルトラックが残っている。この奥に少し行った所に畑がある。そこへ向かっているようだ。
 この付近で地面に枕木が埋まっているのを見つけた。この先の至る所にこのような埋設物が残っている。
 しばらく行くと、斜面を下る枝道が現れた。この下が畑になっている。地図上には島田という地名があり、立派なボロ屋がいくつか建っていたため、廃村跡を畑にしているようだ。
 分岐を過ぎた所にも廃屋か物置小屋の成れの果てが残っていた。
 ボロ屋を過ぎると軽トラの轍もなくなり、石積みの法面が残る路体は、もう十分に軌道跡らしさを醸し出している。
 やがて前方に崩落現場が現れる。どんなに頑張っても、車輪付きの乗り物はここまでしか入れない。ある意味、ここが本当の開始地点だ。
 ここには小さな橋台が残っていた。小川線最初の橋台だ。平時は小さなこの川も、雨が降れば滝のような流れに豹変するようだ。
 崩落現場から間を置かず、今度は藪化。
 そして追加の崩落。クライマックスが最初に来たような感じだが、ここさえ過ぎれば、比較的安定してくる。
 橋台。探索をさくさく進めるため、前半の探索では特別な特徴でもない限り、橋台の写真は一枚か二枚までと決めた。
 起点側。
 別の橋の跡。
 橋台自体も立派なものだが・・・・
 木橋の構成材と思われる腐ちた木材が落ちている。軌道の廃止後、橋が撤去されずに放置されていたことを物語っている。
 この場所も橋になっていたようである。ゴミが溜まりすぎていて、溜まっている木材が橋のものなのか確かめなかった。
 この時は水が枯れていたので、雨の後だけ川になるようだ。
 路肩からはみ出す枕木。いたる所にある。
 しばらく行くと、一台の自転車が出迎えた。いつ誰がどのような理由でここにコレを遺したのだろうか。
 橋の跡。小川川は支流が多いようで、退屈させない。
 上手から。
 別の場所には橋が残っていた。
 後年造られたものかな。
 ここは橋台が崩壊している。
 築堤が残る。
 軌道の風景。急勾配の上りが続く。石積みの法面が一部崩壊している。
 切り通しを抜ける。
 コンクリートによる舗装らしき痕跡を見つけた。なぜここだけ?
 尾根先を通過。
 少し土砂が流れているが、通過に手間取ったという印象はない。
 タイヤの乗っかる橋の跡。
 上手から。
 沢渡り中に散弾の薬莢を見つけた。やたらと撃たれないと思うが、少し身構えてしまう。
 小川線で最大級の橋が残る。第一のチェックポイントだ。

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