佐喜浜林用軌道跡2
大きな橋を渡る。
鬼戸橋
という。
軌道も同じところで川を渡っていたのかな? つっても周辺に遺構は見当たらないケド。
そのうち道も狭くなる。
山口という集落に入る。
集落内では一直線に県道が走る。下地となった軌道も同様だと思っていたが、山際に古い感じの石積が残っているのが見えた。期待していなかったが、中盤にも路盤が残っていたようだ。
少し戻ってみたら、集落の手前のカーブに段差があるように見えた。ここが分岐点で、車道化のときに少し掘り下げられていたようだ。
分岐地点付近から上の写真の石積までの間は、何故かかなり荒れている。斜面が崩れてナナメになっている。倒木も見える。ちょっと歩くのを躊躇ってしまう。
「ならばショートカットしてしまへ」と思うも、県道と軌道跡の間は畑になっている。あぜ道のようなものもなく、流石に真ん中を堂々横切るのはマズイよねと思う。
集落を行き過ぎたところに沢があったので、そこから軌道跡に入って崩落を挟んだ所まで進んできた。
民家の裏手辺りから歩ける道が残る。石積も残っている。
岩肌を削って平場を作っている。多分現役時代のままだろう。
石積は民家の擁壁になっている。
ようやくいつもの雰囲気っぽくなってきた。
沢に出る。これに沿って道から外れて来た。護岸されているのでぱっと見用水路みたい。
橋台が残っているかと思ったが、石積が階段状に崩れているだけのようにも見える。というか、橋じゃなくて暗渠だったりするのかな。
終点側。撤去されたのか増水で削れたのか、後ろの盛土もだいぶ削れている。ひょっとしたら、川の護岸工事のために撤去したのかも。
盛土かと思ったら石積が残っていた。
しかし林を抜けると道がなくなってしまう。
資材置き場? 残土処分場? 削られているか埋没しているか、どっちにしろ痕跡は見えなくなっている。
ちゅうワケで、この場所ではこれ以上は諦めた。まあ多少でも軌道跡が見つかったので良しとしよう。
この辺から出てくるんちゃうかな? しらんけど。
再び県道を行く。
切り通しを二つ抜ける。
少し離れて二つ目。一個目よりも深い。軌道時代も切り通しだったのだろう。どっちかの壁は軌道時代のものかもしれない。
ふと見上げると、高いところに石積があった。一瞬、あんなところに軌道が!?と思ったが、流石に関係ないな。軌道すら通じていない大昔に、川の蛇行を山を越えてショートカットしていた道があったんじゃないかと思う。
それからしばらく行くと、佐喜浜川を渡る大きな橋に出る。銘板がなかったが、Q地図を見ると「せもと橋」という名称が出ていた。竣工年がわからなかったが、「せもと橋」で検索すると、「室戸市 長寿命化修繕計画」という資料がヒット。そこには竣工年が1935年(昭和10年!)と出ていた。・・・これ、軌道由来の橋ってこと?
たしかに、近年できた感じではないな。
しかも、なにか雑に橋脚を継ぎ足してある。
倍くらいに広がってるかな。
橋台も軌道時代のものかな? どことなく、作られた時代が違う部分があるような気がするので、継ぎ足してるっぽい。古い側は角が欠けていてボロい。橋台は堰堤と一体化している。野積みっていうのかな、現地調達したみたいな石で組まれていて、これまた現代では中々無さそうである。これも昭和7年から始まった事業の、初期のものだったりするのかな。
左岸側には少しだけ平場みたいなのがある。
すぐに行き止まっている。
しかし路体は石積になっており、人工的に作られた空間であることがわかる。路線の開通から横の橋の完成まで3年ブランクがあるし、旧橋でもあったのかな?
後で右岸側も見てみたけど、橋台らしきものはなかった。
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